〈終了〉こども図書館「みどりのゆび」プレイベント3 みんなでつくる えほんのほんだな

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2022年12月12日

 90年近くも愛され続けている1934年のアメリカの作品です。日本で翻訳されたのが1971年ですから、50年以上読み継がれていることになります。この絵本が好評を博し、シリーズ化され、今でも9作品が出版され続けています。
 「ちいさいじどうしゃ」ではスモールさんがおしゃれをして、愛車の手入れをしてから、ドライブに出かけ、用事を済ませて帰ってくるまでを、順を追って丹念に描いていきます。事件らしい事件と言えば、家に帰りつく前に、タイヤがパンクすることぐらいです。それに対してもスモールさんは冷静に対処して、難なく帰途に就きます。目まぐるしく変化する世の中にあって、子どもたちは、何気ない日常に安心できるのかもしれません。
 このシリーズは、どの絵本もスモールさんの一日を淡々と丁寧に描いています。幼い子どもたちは、一つ一つ確認できるのがうれしいのでしょうか、スモールさんのお話が大好きです。児童文学者の瀬田貞二氏は「スモールさんは、小さな四角い本のなかに律儀に生きています。
それは小さな本で、大きな健康を発揮しています。」と語っています。まさにこの絵本の本質を言い表しているでしょう。
 実はこの絵本、最初に出版された時は黒と赤の2色でした。日本でも長らく2色の絵本で親しまれてきました。それが2005年にフルカラーになり、版型も少し小さくなりました。確かに彩色されたカラフルな絵本は、目に鮮やかで美しいのですが、2色でも味わいがあり、スモールさんの誠実さが充分に伝わります。絵本の中には、モノトーンや2色のものも結構あります。その方が子どもたちにとって、絵本の世界に入り込みやすいのでしょうか。どちらにしてもスモールさんの律義さは失われていませんからご安心を。
(吉井康文)

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